[2012 発表要旨]















谷口 平八郎 TANIGUCHI, Heihachiro

日本民話の会
1981年、教職にあった中村中学時代に、出版社に依頼され、当時幡多国語の会長であったので、会員に呼びかけ、『幡多のむかし話』を出版。1989年4月より翌年3月までの一年間「幡多むかし話」を高知新聞に連載。1990年退職を機に『幡多昔むかし』を出版。幡多郡内小中学校に寄贈。今回2011年、幡多の民話と風土をテーマに『 四万十川流れて 幡多昔むかし』を出版。民話と風土の関わり、民話の本質を分かって欲しいとの願いで、この会に参加させていただきました。

[ 発表要旨 ]
幡多 民話の心 風土

 この度『四万十川流れて幡多昔むかし』を同好の人達と出版した。私にとって、民話に関する出版は、これが三度めである。
 第一回めは『幡多のむかし話』1981(昭56)年9月であった。この年から30年余を経たことになる。第二回めは『幡多昔むかし』として、教職退職を機に出版し、郡内小中学校に寄贈させていただいた。この出版時が1990(平成2)年であるから、この年からでも、21年の年月を経過している。この以前一年有半、幡多の山地、海辺の村の古老を訪ね歩き、それらのお話を高知新聞に掲載させていただく幸運にも恵まれた。今回の出版は、それらの経験と、そのころの仲間たち、そして、読者であった若い方々、とりわけ風土の研究者たちが加わってくれたことである。
 これらの経験と学習から得たことは、「昔ばなし」に対する認識の深まりであった。たんなるお話の集積ではなく、そこに込められているのは、人々の生きざま、いのちの問題だということ。山河との関わり、畏怖と恩恵、それを身にしみて感じ、生きてきた古老の方々の壮絶な生きざまということである。たんなるうわつらの自然環境問題として捉えるのではなく、奥深いところで自然と繋がっているのである。