[2012 発表要旨]

田城 松幸 TASHIRO, Matsuyuki 

自然観察指導員
中学生の時蝶採集に没頭。高校でも続けるべく中村高校生物部に入部。当時は「四万十川流域に於ける植物群落の研究」と言うのが部のメインテーマ、そこで初めて植物と出会う、爾来星移り人は換わりて幾星霜、高知県絶滅危惧種設定の調査、高知県植物誌発刊の調査、環境省委託、全国版絶滅危惧種の調査等を経て古希を過ぎなんとする今、若き日に蝶や植物との出会いがあったことをつくづく幸せであったと思うこの頃。

[ 発表タイトル ]

幡多の植物: 高知県植物誌の調査をとおして

 2009年、高知県植物誌が発行された。調査を始めて8年目、現在日本に自生する植物は五千とも五千五百とも言われ、植物誌にはその内の3170種が記載されている。
 そもそも植物誌とはなんぞや。植物の住民台帳のようなものでこれを見れば何処にどんな植物があるという事が一目で解る。調査は県内を19のエリアに分け、私達は幡多地方を担当した。幡多地方は旧大方町と中村市、三原村を合わせて中村エリア、西土佐村と宿毛市で宿毛エリア、土佐清水市と大月町で清水エリアの3エリアに分け、その中にある全ての高等植物(シダ稙物以上)の完全標本を採集し牧野植物園に送るのが仕事。植物標本は必ず色あせる。そうなると葉と枝だけで種を識別するのは不可能に近い、花か果実があってはじめて識別可能になる。だから標本採集は何時でも良いと言う訳にはいかない。
 私達中村チームは毎月第一、第三日曜日を採集日にし、土砂降りでも決行した。平日でも都合のつく者で特定の種を目的に黒尊や柏島等に出向いた。自分達が幾ら標本を送ったか分らないが、三つのエリアを合わせた種の合計は1500前後になると思う。