[ 2014 口頭発表 要旨 ]

浜口 和也 HAMAGUCHI, Kazuya 

竜串ダイビングセンター 非常勤スタッフ
竜串湾のサンゴ群集を始めとする海域保全活動に取り組む所から、最近は山林の整備を手掛け、長期的対策に力を入れている。

[ 発表要旨 ] 

海中に眠る人々の生活の跡

 竜串海域公園1号地・爪白沖約50m、水深3m程の所にある石の角材群。2010年の調査で、人工物である事は間違いないと断定したのだが、何故海中にあるのか?という事は定かではない。もしかしたら、船で持って来る途中に、落としてしまったのかもしれない。しかし、当地は古来より度々襲って来た東南海地震と津波によって集落が飲み込まれたり、沈下した伝承もあり、これらはその痕跡とも考えられる。注目すべきは、今なお伝えられている爪白地区の弥陀釈迦二尊堂。善導大師の二河白道の譬えを表現した建て方をしている。津波が襲って来たと考えられる東南側には、発遣の釈迦堂、津波から逃げ切る事の出来た、高台のある西側には迎接の阿弥陀堂があり、津波によって壊滅した集落を高台へ移転するにあたっての並々ならぬ決意を感じる。定かな文献がないので、あくまでも推察だが、こういった観点から見て、災害史を語る上で重要な資料、つまり水中文化遺産として考えられるのではないだろうか。