[ 2016 ポスター発表 要旨 ]
森と川と海 
山本 優輝(四万十高校) 

 今回ポスターにした内容は、自然環境コースの「森と川と海」という授業でフィールドワークに行ったときのものです。森学習では、三本杭と不入山のことを書いています。三本杭では、シカの食害の影響とその対策がどのようになっているのかをまとめています。また、不入山では、木の高さを測るために使われるバーテックスを使っている様子のことを書いています。四万十川源流点について源流点で採れるサンショウウオのこともまとめています。川学習では、普段自然環境部が四万十川の水質を調べていることを書いています。四万十町大正の四万十川の水質をグラフにまとめています。また、これから四万十川をもっとよくしていくためには、どんな対策をしたらいいのか僕なりに考えたことを四万十町に提案するように考えてみました。海学習では、竜串の海に行ったときのことを書いています。川の水質調査と同じように、生物を採集して点数をつけてから平均スコア値を求め表にまとめてみました。シュノーケル、グラスボードの様子や見残し海岸のつづみ岸のことも書いています。


水質の違いによる微細藻類の出現について 
中野 珠里(四万十高校)

 私が今回行ったのは水質の違いによる微細藻類の違いについてです。私達が通う四万十高校の下を流れる四万十川には、多くの生物が生息しています。この生物多様性を支えているのが四万十川に流入する栄養塩類と微細藻類です。栄養塩類が流入しすぎると、河川には「アオコ」が発生します。そこで、四万十川も条件さえ合えば微細藻類が繁殖し、アオコを形成するのではないかと考え、実験を行いました。今回実験に用いた水は四万十川の支流である「吾川の水」と奈良県の龍楽寺の採水場から汲んできた「ゴロゴロ水」です。藻類の繁殖には河川に栄養塩類が流入しないと繁殖しません。そこで、この二種類の水に「ハイポネックス」という肥料を添加した水をさらに「ハイポネックスのみ」、「雨水入り」、「土嬢抽出液入り」に分け、計六つの水槽の中にアオコを形成する藍藻の「ミクロシスティス」を入れ、7月15日から9月6日の夏休み明けまで培養実験を行いました。培養終了後、水槽内には変化があり、「吾川の水」の水槽では茶色い沈殿物が、「ゴロゴロ水」の水槽では緑色の藻が発生しました。顕微鏡で観察した結果「ゴロゴロ水」の水槽はアオコが形成していると言えるほどミクロシスティスが繁殖していました。一方、「吾川の水」では、珪藻類が多く観察できました。二種類の水では藻類が繁殖していました。ということは、実験開始時に投入した肥料や雨水等に含まれる栄養塩を使って繁殖したと考えられるので、分光高度計でリン酸塩、硝酸塩、CODの数値を測定しました。


四万十高校 農場の1年 
中平 聖斗(四万十高校)

 4月から3月の農場の様子をまとめた。内容は、トウモロコシとヤングコーンの違いや、ヤーコン、パンジー、ハクサイ、トマト、スイカ、シイタケなどの育て方などを発表した。他にも、地元商店街での販売実習の様子や、うね立ての方法、病害虫の対策などについて紹介した。学校ホームページでも毎日情報発信をしているので見てみてください。


黒尊研修 
伊與木香寿美(四万十高校)

 黒尊川の生物多様性についてポスターにまとめた。1日目の午前中には黒尊川についての講義を山下慎吾先生から聞き、黒尊川の特徴等を学んだ。午後から、えび玉を用いて生物採集を行い、定置網、コロバシを仕掛け、翌日引き上げた。2日目に、定置網、コロバシを引き上げ、採取できた生物のソーティングを行った。今回、確認できた生物は、タカハヤ、カワムツ、ウグイ、ウナギ、オオヨシノボリ、シマヨシノボリ、ドンコ、ヒラテテナガエビ、ヤマトヌマエビ、ヌマエビ、モクズガニの11種類。平成25年-27年の調査結果を表にしてみると、年ごとに確認できる生物とできない生物がいることがわかり、調査時の川の記録なども取る必要があると考えた。今回の黒尊研修は、自然との共生について考える機会になった。自然と共に暮らしていくためには、自然についての知識を持ち、理解していくことも大切だと感じた。自然から学べることを自分たちの「糧」にし、日々生活していくことで、自然と共に生きていけるのではないかと思った。


奥四万十博とは! 
田辺 俊輔(四万十町商工観光課)

 奥四万十博推進協議会では、2016年4月10日より高幡地区5市町で開催する観光キャンペーン「2016奥四万十博」のPRを行いました。当日来場者の皆さまに「奥四万十博ガイドブック」「奥四万十博の水」を配布して認知度アップに努めるとともに、キャンペーン期間中の盛り上げに協力していただける「奥四万十博サポーター」の募集チラシを配布し、協力の呼びかけをさせていただきました。サポーターについては3月初旬の時点で全体で1000名を超える方からご応募をいただいており、四万十町内各地でも4か所のサテライト会場を中心に準備を進めているところです。今後訪れる観光客の方々に四万十地域の魅力を発信し、交流を深めていきたいと思います。


防災植物ってなあに?
斉藤 香織(日本防災植物協会)

 私たちの身の回りに生えている野生植物の中には、食べられる植物がたくさんあります。その中から特に、災害時、食糧難になった時にでも、「安全で簡単に食べられる植物」を「防災植物」と名付け、定義しました。今、地球環境は変動しています。世界中で異常気象が起こっています。もはやいつ、どこで、何が起こるのか、予想し難いのです。私たちはこれから、「自分の命は自分で守る」ことを考えていかねばなりません。「防災植物」を学ぶことは、「自分の命を守る助けになる」と考えています。「防災植物」を通じて自然に親しみ、楽しみながら防災意識を高めていきたいと思い、体験型の「防災植物教室」も開催しています。高知県は山川海に恵まれた、自然豊かな土地です。野外に出て植物を観察する、学習する、実際に食べてみる。日常からこのような体験をしていくことが、いざという時の助け、また心のゆとりにつながると考えています。



高知県におけるカーボン・オフセットの取り組み事例
中野比菜子(高知県環境共生課)

 豊かな森林に恵まれた高知県では、温暖化対策と森林整備を促進するために「高知県版J-クレジット制度」を運営しています。この制度は、森林整備を行って削減・吸収されたCO2を「クレジット」として認証し、金銭的価値を持たせ取引可能にする制度です。クレジットはカーボン・オフセットに活用され、その売却益は新たな森林整備に役立てられます。カーボン・オフセットとは、どうしても削減できないCO2をクレジットの購入でオフセット(相殺・埋め合わせ)するものです。はた(旧幡多郡)でも、公共工事の現場やお客様の宿泊施設利用時に出るCO2をオフセットする取り組み事例があり、また県内外でも珍しい事例がある上に、商品を購入することで消費者も削減活動に協力できる「環境貢献型商品」の開発にも積極的に取り組んでいます。今後も、カーボン・オフセットの取組に協力し、オフセット活動が浸透するよう努めていきたいと考えています。



副業的原木しいたけ栽培に挑戦
岩本 一男(創出中)

 高知県の高幡から幡多地域は戦後原木シイタケ栽培の盛んな土地でもあり、先人達の残した知識を引継ぎたくはじめたのが約7年前。とは云うものの、栽培ははたで見るほど簡単なものではなく、原木の調達からはじまりほだ場の確保や整備に至るまで重労働を強いられしかもスタート時山仕事等無縁ということもあり、心身共にハードルの高さ故の様々な洗礼をうけたのも今となれば良い思い出に...。近年では秋口の伐採本数をあるていど自らコントロール出来るようになり、玉切りから搬出まで副業という限られた時間の中で、シーズン中に作業えお終える事ができている。原木シイタケ栽培に関わる事で、確実に山にお金が戻り仕事を生み山を若がえらせる里山型循環を微力ながらこれからも続けていきたい。



今季 幡多地域に集団飛来したツル類の個体数変動
木村 宏(日本野鳥の会高知支部)

 今季、幡多地方には多くのナベヅルがやってきました。最初に情報があったのは2015年10月28日。中村で10羽、愛南町で20羽以上が南に飛んだ、との飛翔情報があり、29日には四万十市で28羽が降りていて、それが宿毛に移動したのが確認できて、今シーズンのナベヅルの初飛来を確認しました。その後、30日に四万十市で84羽、11月1日に144羽、4日に172羽と増えてピークは11日の239羽まで増えました。11月15日の「狩猟解禁日」の鉄砲の音におびえて四万十市では0羽となり、宿毛市で16日に64羽を確認したが、カメラマンの接近でいなくなりました。狩猟解禁で散らばったナベヅルは100羽程度四万十市に戻ってきましたが塒にしている四万十市の塒で、また打撃を受けました。12月1日の「落ちアユ漁解禁日」です。塒にしていた河川敷に日の出から落ちアユ漁が解禁すると言うので漁師・釣り師が夜中からキャンプ、焚火をして大勢が押し寄せたために塒にしていたナベヅルが追い出されました。その後12月は22羽、43羽ていどが戻ってきましたが、1月にはほとんど見られなくなりました。



小さな自然再生:木枠土嚢魚道による効果の整理,竹蛇籠工法への挑戦
山下慎吾ほか(魚山研ほか)

 高知県土佐清水市を流れる三崎川は,生物相の豊かな海域に流入する河川であるが,堰堤による分断化が著しく,河口から遡上する水生生物にとって連続性に乏しい。そこで,生態ネットワーク回復に向けて「研究会はたのおと」が市民主導型の小さな自然再生事業を進めている。春季の遡上を促すため,2014年度は木枠土嚢工法による魚道を第一堰堤に期間設置し,水生生物モニタリング調査を実施した。その結果,魚類やエビ・カニ類が魚道を遡上していることが確認され,2015年6月に予定どおり構造物の撤去を完了した。一方で,もし出水等により木枠土嚢魚道が流出した場合,重量のある間伐材が問題となる危険性があること,ポリエチレン製土嚢袋がゴミとなってしまうという短所があった。さらに,三崎川の水生生物相を考慮し,遊泳魚類よりも小型の底生魚類やエビ・カニ類にとって遡上しやすい構造とするという課題があった。木枠土嚢魚道の短所と課題に対応するため,今年度は新たに竹蛇籠を活用した魚道の設置に挑戦した。通常,竹蛇籠の材料はマダケが用いられるが,我々は放棄竹林で問題となっているモウソウチクを使えるよう試行錯誤をおこなった。マダケでは幅50mmとされていたが,モウソウチクは肉厚であるため幅35mmに揃えることが最適であることがわかった。また,輪状にした竹材を用いた編み方に改良することにより,魚道構造とするうえで,均一性が高くかつ圧縮に強い竹蛇籠となった。製作した竹蛇籠は,直径50cmと40cm,長さ3.0m, 2.3m, 1.8mの計30個である。完成した竹蛇籠を現地に運搬し,1-3段に俵状に積み,最大高さ1.4m,竹蛇籠部の長さ9.0mの魚道とした。詰物として,堰堤に堆積した石礫,葦簀,ツルヨシの根を組み合わせて適度に不透水性を持たせ,堰堤から越流する水を受けて竹蛇籠魚道の上部および内部に通水するよう工夫した。魚道設置は2016年1月末に無事完了した。